「あのミスから立て直せなかった…」失敗を引きずる選手へ|試合中に感情を切り替えるセルフトーク術

「あのミスから立て直せなかった…」失敗を引きずる選手へ|試合中に感情を切り替えるセルフトーク術

こんにちは!
常に現場主義」を掲げ、アスリートのメンタルを支えています。
スポーツメンタルコーチの石井大樹です。

  • 「1つのミスで流れが変わってしまった…」
  • 「失敗を引きずって、最後まで集中できなかった…」

こんな悔しい経験、アスリートなら誰しも一度は経験したことがあると思います。

技術があるのに試合で結果を出せない選手ほど、

“失敗後の立て直し方”を知らずに苦しんでいます。

7年、現場でアスリートをサポートしていて感じるのは、
1つの失敗から大崩れしてしまうような選手ほど、失敗後の立て直し方が自分の中で確立してなかったりします。

失敗しない、ミスしない選手

なんていないんです。存在しないんです。

だからこそ、失敗したときにちゃんと立て直せる自分でいられたら、いかがですか?

そこで今回は、ミスを引きずらず、
“試合中でも感情を切り替えられるセルフトークのコツをお伝えします!

失敗を引きずる選手と立て直せる選手の違い

そもそも人の脳の仕組みとして、

失敗したときにネガティブな記憶を強く保存しようとします。

これは人が生き延びるための防衛本能として備わっています。

だからこそ、同じ場面が近づくと、
「また失敗したらどうしよう」という思考が自然と出てくるんです。

それによって、同じような危険から身を守ろうとするわけですね。

しかし、本番で力を出せる選手は、

「失敗はあって当然」と捉え、すぐに気持ちを戻す技術を持っています。

それを心理学では「認知的切り替え」といいます。

感情を切り替えるセルフトーク

感情の切り替えにおいて、大事なのは失敗を無かったことにすることではなく、

失敗を客観的に受け止め、思考を“次に向ける”ということになります。

多くのアスリートは、

  • 失敗したことで生まれた感情を否定する
  • ミスしたことで生まれた感情を無くそうとする

このように対処しようとする癖があります…

実はこれって、すごく逆効果なんです。

人は忘れようとすればするほど、そうならないように意識すればするほど、

“かえって忘れられず、意識してしまう”んです。

これを心理学では「しろくま効果」と言ったりします。

では、どうすれば良いのか?

ここで役立つのが「セルフトーク」というものになります。

①失敗と自分の価値を切り離す言葉

1つ目は、「失敗と自分の価値を切り離す言葉」になります。

ミスした瞬間に、心の中でこう呟いてみてください。

  • 今のは“結果”であって“自分の価値”じゃない
  • 1回のミスによって試合が終わるわけじゃない
  • 失敗によってこれからの競技人生が全て決まるわけじゃない

失敗を重く受け止めすぎてしまうアスリートほど、

1度の失敗について、

  • この失敗がこの先も自分に影響するのではないか
  • 1度の失敗によって自分の価値が決まる
  • たった1回の失敗が試合を決める

そんな風に“無意識に”思い込んでいることがあります。

たった1回の失敗が人生を決めることって、あるでしょうか?

もしそれが本当だったら、今世界で活躍しているトップアスリートたちは失敗せずして、

トップに辿り着いたのでしょうか?

…そんなはずはないですよね。

誰よりも挑戦し、成功と同じくらい失敗をたくさん経験してきたからこそ、

世界で活躍するレベルにまで成長できたのだと思います。

だからこそ、失敗と自分そのものを切り離すことで、感情の切り替えに繋がります。

②“何に意識を戻すか”を決める

次が、「じゃあ次は何をするか?」を明確にさせることです。

【事例】:

  • 今からできる1つのプレーに集中する
  • 何を目的、目標にしていたか思い出す
  • 今自分にできる最善の行動は何かを明確にする

多くの場合、余計なことを考え続けてしまう「ぐるぐる思考」

心理学では「反芻思考」とも言いますが、ここから抜け出せなくなる時ほど、

目的・目標を見失っているときです。

だからこそ、意識の“戻し先”を用意してあげることで、

思考の堂々巡りを止めることに繋がります。

失敗は“終わり”じゃない

失敗を引きずるか、立て直せるか。

その違いを分けるのは、
「失敗をどう認知し、何に意識を戻すか」が大きなポイントになります。

  • 失敗=不調の象徴、取り返せないもの
  • 失敗=伸び代、リスクをとって挑戦してる証

この2つの捉え方、どちらも間違いじゃないですよね。

しかし、どちらの捉え方をする方が、自分にとってプラスに働くでしょうか?

この「捉え方」の部分へアプローチできる方法の1つが「セルフトーク」になります。

次の試合ではぜひ、
“自分を励ます声”を味方につけて、挑んでみてください。

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この記事を書いた人

石井 大樹

大学アメフト時代に人間関係に苦しみ心から競技に集中できず、平凡な選手として引退。
「愛するスポーツを嫌いになって欲しくない」
「心から好きな競技に集中してほしい」
そんな思いから就職した会社を退職後、脳と心の仕組み、スポーツ科学を学ぶ。

現在はプロ〜学生アスリートまで、
“スポーツに本気で向き合うアスリート”を対象に最先端のスポーツメンタルコーチングを提供。

プロ入団、世界大会出場、リーグ昇格、アジア選手権入賞、全日本優勝などを選手と共に経験。
「情熱を注ぐスポーツに心の底から集中できるアスリートを増やすこと」がミッション。

「常に現場主義」をモットーに、アスリートと同じ温度感を共有し、支えることが信念。