【フィギュアスケートメンタル】宇野昌磨選手から学ぶ、失敗を成長に活かすメンタル

2023年7月13日

宇野昌磨選手から学ぶ、失敗を成長に活かすメンタル

  • 2018年平昌オリンピック銀メダル
  • 2022年北京オリンピック銅メダル
  • 2022/2023年世界選手権2連覇

これまでに世界を舞台に素晴らしい結果を残し続けている宇野昌磨選手。

今でこそ、世界で圧倒的なパフォーマンスを魅せている宇野選手ですが、

実はジュニア時代はトリプルアクセルを中々飛ぶことができず、

フィギュアスケート界では遅咲きと言われ、一時期は練習も周囲にやらされていたそう。

しかし、2014年にトリプルアクセルを会得すると、その4年後にはオリンピックで銀メダルを獲得。

その後さらに成長を遂げ、2022年/2023年の世界選手権を連覇し、2年連続で世界王者に。

そんな日本スケート界を引っ張り、今もなお成長し続ける宇野選手が「あること」を大切にしていました。

宇野選手がどんなことを大切にしていたかを解説していきます。

【大事なのは“どう失敗するか”】失敗を成長に活かすメンタリティ

スポーツメンタルコーチとして日々アスリートのメンタルを支えています。

サポートしている選手、セミナーに参加してくれる選手などを含めると、

年間で約150名以上のアスリートと話をする機会があります。

そして、その中でよく相談を頂く内容が「失敗」について。

  • 失敗したらどうしよう…
  • ここで失敗したら勝てる見込みはない…
  • 過去の失敗が忘れられない…

失敗を意識するあまり、気付けば頭の中には失敗するイメージしかない状態に…。

そんな悩みを抱えたアスリートを直接見てきました。

しかし、失敗にも種類があって、「良い失敗の仕方」ができたとしたら、どうでしょうか?

ジャンプの評価が求められる中で、トリプルアクセルが飛べるまで苦労した宇野昌磨選手。

トリプルアクセルを習得するまでに多くの失敗を繰り返してきたはずです。

そんな宇野選手が「失敗」についてこのように語っています。

『失敗から学ぶって小さな頃から聞いてたけど、でもやっぱり失敗は嫌だったんですよね』
『学ぶこともあるからもしれないけど、失うものがあるような気がして』
『でも意外と失敗しても失うものはないですし、良い失敗の仕方さえすれば、次に活かせる』
抜粋:https://youtu.be/SKwNRSnV-J4

この言葉からも、宇野選手が失敗かどうかより、失敗の仕方を重要視していることがわかります。

今でこそ世界王者である宇野選手ですが、これまでに数々の失敗を繰り返してきたはずです。

その中で成長に繋げてきたからこそ、

  • 失敗か成功か(×)
  • 良い失敗か悪い失敗か(◎)

失敗に対して、そういった捉え方ができているのだと思います。

では、「失敗の仕方」を意識することが、どのように競技に繋がるのか?

この部分に関してお伝えしていきます。

【心理学】人は“終わりよければ全てよし”と解釈しやすい

心理学において「ピークエンドの法則」というものがあります。

💡ピークエンドの法則とは?
人はある出来事に対し、
感情が最も高まったとき(ピーク)の印象と、
最後の印象(エンド)だけで全体的な印象を判断する。

つまり、どれだけ大きな失敗をしても、

最終的に運良く結果が出てしまうと“失敗のプロセスを軽く見てしまう”のです。

失敗のプロセスを軽く見るため、失敗の原因の振り返りもおざなりに…。

直近の試合結果だけで見れば、最終的に結果が出たことは良いことかもしれません。

しかし、失敗のプロセスを軽く見て、放置していたらこの先どうなるでしょうか?

“運良く成功”してしまうと失敗の原因が見つからない

人は、どれだけ失敗をしても、最終的に運良く結果が出ると、失敗のプロセスを軽視してしまう

ということを心理学の観点からお伝えしました。

実は宇野選手も、とあるインタビューでこのように語っています。

『運良く成功してしまった時だと失敗というのは見つからないので、失敗できる時にちゃんと失敗するべきだなと思います』
『運良く成功っていうのを僕は無くしたい』
抜粋:https://youtu.be/SKwNRSnV-J4

この宇野選手の言葉にもあるように、

運良く成功してしまうと、失敗が見つかりません。

先ほどもお伝えしましたが、失敗した原因が見つからないため、

同じ失敗を繰り返すことに繋がってしまうんです。

転ばないようにすることで、いざ転んだ時に転び方がわからずケガをする

‎例え転んでも小さなケガをするうちにケガをしない上手な転び方を覚える

つまり、転ばないようにするよりも、「いかに良い転び方を覚えるか」が大切なんです。

だからこそ、「失敗の仕方・どう失敗するか?」がとても重要になってきます。

失敗への捉え方を変えるために「自分の内面」と向き合う

失敗を避けるのではなく、いかに良い失敗の仕方をするか?どう失敗するかが重要。

ということをお伝えしてきました。

そのためには、まず「自分の失敗」を心から受け入れる必要があります。

  • 失敗を悪いものだと捉えている自分
  • 失敗の記憶を思い出さないようにしてる自分

そういった自分の内面と向き合っていく必要があります。

これは自分の感情に素直になるからこそ、できることです。

だからこそ、「素直さ」を大切にしてほしいと思います^^

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

この記事の著者

石井 大樹

大学アメフト時代に人間関係に苦しみ心から競技に集中できず、平凡な選手として引退。
「愛するスポーツを嫌いになって欲しくない」
「心から好きな競技に集中してほしい」
そんな思いから就職した会社を退職後、脳と心の仕組み、スポーツ科学を学ぶ。

現在はプロアスリートから学生アスリートまで、
“スポーツに本気で向き合うアスリート”
を対象に最先端のスポーツメンタルコーチングを提供。

プロ入団、世界大会出場、リーグ昇格、アジア選手権入賞、全日本優勝などを選手と共に経験。
「情熱を注ぐスポーツに心の底から集中できるアスリートを増やすこと」がミッション。

「常に現場主義」をモットーに、アスリートと同じ温度感を共有し、支えることが信念。