言語化することは必ずしもスポーツパフォーマンスにプラスではない
皆さんはパフォーマンスを高めるために「全てを言語化」しようとしていませんか?
言語化することが全てにおいてプラスに働くかというとそうではない。
言語化しないことでプラスに働くこともある。
特にスポーツの場面では、言語化してしまうデメリットもあるように思う。それくらい人の“感覚”は優秀だということ。
そして、感覚と戦術(理論的な部分)のバランスが大切に思う。— 石井タイキ/スポーツメンタルコーチ (@senaka_push) August 7, 2021
スポーツメンタルコーチとして活動している私はこの当サイトや各種SNSで
「結果にふさわしいメンタルをデザインする」をコンセプトに情報を日々発信しています^^
スポーツパフォーマンスにおいて言語化はメリットだけじゃない
言語化しよう!言語化が重要!
チームでの連携を高めるためであったり、習得しているスキルや知識をさらに深く理解するためにスポーツでも言語化を重視する動きがあります。
私がサポートしていたチームも言語化をとても重要視していました。
確かに言語化することも大切です、メリットもあります。
一方でメリットだけじゃないことも知ってほしいんです。
- スポーツに限定した話
- 競技特性によって振り幅はある
この2つを踏まえた上で、言語化にはデメリットもあることをお伝えしていきます。
アスリートとしてこの記事を読んでくれている方はぜひ、ご自身の競技に当てはめながら読んで頂くことをおすすめします!
言語化をしていては遅い
競技にもよりますが、“言語化していては遅い”ことがあります。
- バスケットボール
- バドミントン
- 卓球
具体的に例に挙げると、この3つの競技は特に言語化していては遅いように感じます。
- 考える
- 言葉に変換する
- 言葉に変換したものを動作にする
1秒ごとに状況が変わり、プレースピードがとても早い競技において、このように1つずつ工程を踏んでいたらどうでしょうか?
1秒ごとに状況が目まぐるしく変わる中で毎回言語化していたら、状況にパフォーマンスが追いつかなくなってしまいます。
また、上記の競技以外にも瞬間的な部分で言えば、
- 野球
- サッカー
- ラグビー
- 柔道・空手
このような対人スポーツ全般はパフォーマンス発揮において、言語化には限界があります。
逆に「陸上競技」などは一瞬で状況が変わるような場面は少ないので、言語化の影響を受けにくいと言えます。
「考えない」ことが最も早く動ける
「言語化する」という行為には必ず「考える」という行為が伴います。
この「考える」という行為は、意識と無意識でいう“意識”に当てはまります。
しかし、人の“意識”の領域ばかりに頼ってしまうと持っているパフォーマンスを最大限引き出すことは厳しいです。
💡脳の仕組みとして“意識”の領域だけでは限界がある
人の無意識の領域は約90〜97%と言われ、
意識の領域はわずか3〜10%と言われている。
意識の領域は「理性」を司り、脳内の大脳新皮質が機能している。
意識の領域ばかりに頼っている状態とは、単純計算ですが、持っている力を10%も出せないということになります。
つまり、無意識の領域を引き出すことが持っているパフォーマンスを最大限に引き出すことに繋がるということです。
考えすぎて判断が鈍ったり、迷いが生まれる…
このような経験をしたことがある方も多いと思います。
だからこそ、「考えずとも動けるような状態」が作れたとしたら皆さんの持っているパフォーマンスはどのように発揮されるでしょうか?
いかに言語化せずに無意識でプレーできるか
最後にある言葉をご紹介して終わりたいと思います。
より高いレベルに到達するには、いかに“考えないか”が重要
これは現在スペインで活動しており、2018年FIFAワールドカップロシア大会では日本代表の司令塔として全試合に出場した柴崎岳選手の言葉です。
- 考えて言語化する力
- 考えずとも動ける無意識の力
この2つのバランスを競技に最適化できたら、皆さんにどんな素晴らしい変化があるでしょうか?
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました^^