【指導者必見】叩いて伸びる人は存在しない!その理由を徹底解説
褒めて伸びる人はイメージしやすいけど、叩いて伸びる人ってどんな伝え方をしたら伝わりやすいんだろう?具体的にどんな叩き方なら伸びるんだろう?
こんな疑問に答えます。
- 「叩いて伸びる」の真実
- 指導者としてのマインドセット
スポーツメンタルコーチとして活動している私はこの当サイトや各種SNSで 「結果にふさわしいメンタルをデザインする」をコンセプトに情報を日々発信しています^^
ここ最近よく取り上げられている「指導者問題」や「労働問題」
監督やコーチ、先生、上司などの問題を多く耳にします。
メンタルコーチとして活動している中でまだまだ自分が届けたいところに価値を届けられていないことに力不足を感じます。
その中でも話題に上がりやすい1つだと思うのが、
- 昔から言われている「叩いて伸びる説」
- 最近、主流になりつつある「褒めて伸びる説」
今回はこの2つの中でも「叩いて伸びる」について焦点を当てて話をしたいと思います。
この思い込みを少しでも多くの指導者が手放すことで大げさではなく、「多くの命」を救うキッカケに繋がると思っています。
この記事では「叩いて伸びるの真実」と「指導者としてのマインドセット」をわかりやすく解説していきたいと思います。
自分は叩かれて伸びた!叩いて伸びることに疑問を持っている
という方はぜひ最後までご覧下さい。
叩いて伸びる人は存在しない
結論から言いますと、「叩いて伸びる人」は存在しません。
この記事を多くの指導者に読んでもらうことで少しでも「相手を伸ばす本質」に触れてもらえればなと思います。
どうして私が「叩いて伸びる人は存在しない」と言い切るのか。
これから具体的にわかりやすく説明していきます。
「叩いて伸びる」のではなく「叩かれても我慢できる」
多くの人たちが勘違いしている事実ですが、「叩いて伸びる人」はいません。
厳密に言うと、「叩かれても我慢できる人」が存在するだけ。
あなたの思う「叩いて伸びる人」はどんな特徴を持っているでしょうか?
- 叩かれても「絶対見返してやる!」と悔しい気持ちをエネルギーに変える人
- 煽られたときに「私、もっといけますけど?」と逆に煽る人
- 追い込まれても「まだいける、自分はこんなもんじゃない」と思える人
分かりやすいところで言うとこんな特徴を持っていると思います。
こういった人たちは、あくまで「叩かれるから」このように反骨心でやる気のアクセルを踏んでいるだけということ。
反骨心が強い人はもともとエネルギッシュな人たちが多いです。
反対に、叩かれることで潰れていってしまう人を「精神的に弱い」と決めつける風潮もまだありますが、それは間違いです。
つまり、「叩かれても我慢できるだけであって、決して叩かれることで成長しているわけではない」ということなのです。
- 叩いて伸びる人と褒めて伸びる人がいる(×)
- 叩かれても我慢できる人がいるだけで叩いて伸びる人は存在しない(○)
この勘違いが解放されることで多くの人が生きやすくなると私は思っています。
「叩いて伸びる」と思い込んでいるのは指導者の過去の成功体験が原因
叩いて伸びる人はいなくて、叩かれても我慢できるってだけで、叩かれて潰れる人が弱いってわけじゃないんだね!
ということが先ほどの話で理解してもらえたと思います。
では、どうして指導者は「叩いて伸びる」と思い込んでそういった指導をするのでしょうか?
それは指導者が「過去の成功体験を縛られている」からです。
「叩いて伸びる」と思い込んでいる指導者はおそらく過去実際に「叩いたことによって結果を出した」のでしょう。
もちろんその時はそれで結果が出たことは良かったと思います。
しかし、過去「叩いて伸びたから」今回も「叩けば伸びる」かと言えばそうではないでしょう。
つまりここに思い込みが隠れているのです。
これを私のコーチングでは「成功の誤学習」といいます。
- チームAに対して、叩いて伸ばす指導を行なった
→結果が出た - チームBに対して「チームAでは叩いたから結果に繋がったんだ!」
→結果が出ない - 「どうして出来るようにならないの?」
といった一連の流れが成功の誤学習の典型的なパターンです。
これは1つの成功パターンという枠にはまってしまっているのが原因で、その1つの方法に固執してしまうんです。
過去の成功は確かに素晴らしいものだと思います。
しかし、その成功の法則が誰に対しても当てはまるとは限らないのです。
だからこそ、指導者ほど常に常識を疑い、価値観や考え方を変化に合わせてアップデートしていくことが大切だと思っています。
人は誰しもが「思い込み(セルフイメージ)」の中で生きています。
自分の行動にマイナスな影響を与えている思い込みを特定し、手放すことが成長のカギです。
思い込みについては下記の記事で詳しく解説していますので、合わせて読むのがオススメです。
過去ではなく、「今」目の前に矢印を向ける
先ほどもお伝えしたように、過去の成功が悪いわけではないのです。
本当に大切なことは…
- 過去の成功や経験などの過去の自分に矢印を向ける(×)
- 今目の前の自分を必要としてくれている存在に矢印を向ける(○)
ということです。
指導者であるあなたは必要とされています。
だからこそ、過去の自分や過去の相手ではなく、「今あなたを必要としている存在」にもっと目を向けてあげてください。
自分に素直になって「目の前にいる自分を必要としてくれる存在」に自分が何をしてあげられるかを考えることができたら、どんな結果に導けると思いますか?
「叩いて伸びる」のと「褒めて伸びる」の圧倒的な違いとは
「叩いて伸びる」と「褒めて伸びる」この2つには圧倒的な違いがあります。
もし、この2つのやり方で「全く同じ結果」に繋がるならあなたはどちらを選択する方がいいのか説明できますか?
これからそれをわかりやすく説明していきます。
指導者の接し方で受け手のパフォーマンスは変わる
指導者の接し方で受け手のパフォーマンスは大きく変わります。
その1番の要因は「感情」です。
「叩いて伸びる」という考え方のリスクは「取り組んでいるそれ自体を嫌いになるかもしれない」という所です。
例えば…
毎日一生懸命、ノートに書き写してて頑張ってるね!
と褒められれば、この人はきっと国語が好きになると思います。
しかし、逆に…
どうしてできないんだ!こんな簡単なこともできないならとにかくノートに書きまくれ!
と言われれば、この人はきっと国語を嫌いになると思います。
重要なのは、両者が全く同じ点数で全く同じ成長をしたとしても指導者の接し方で「取り組んでいること(国語)」を嫌いになってしまうという点。
逆に褒めてあげれば、できる・できないを抜きにしても好きになるとなれます。
それくらい、指導者の接し方で「感情」は大きく変わってしまうものなのです。
どうしたら相手が「目の前のことを好きになれるか」を考えよう
あなたが子どもの頃に、お気に入りだったおもちゃやゲームはありましたか?
気付いたら日が暮れていた、などの経験があるでしょうか?
目の前の相手が、取り組む物事に対して「子供のように夢中になる」ことが何よりもパフォーマンスを高める要因になります。
つまり、いかに「夢中になって取り組む状態」を作り出せるかということなのです。
例えば、あなたがスポーツをやっている選手だとします。
お前は人よりできないんだから、もっと練習しろ!
と言われて、目の前のことに夢中になれるでしょうか?
つまりはそういうことなのです。
相手を夢中にさせるにおいて、「叩いて伸ばす」という方法はあまりにもかけ離れているのです。
だからこそ、「褒めて伸ばす」ことが有効というわけなんですね。
しかし、ただ褒めればいいということではありません。
「褒めて伸ばす」を勘違いしてしまってただ甘やかしているだけの事例もあります。
下記の記事では、「褒めて伸ばすことの本質」と「やる気を引き出す褒め方」をわかりやすく解説しているので合わせて読むことをオススメします。
「叩いて伸びる」と思い込むことは価値観の押し付けに繋がる
指導者は相手を思うあまり、「結果」につい目を奪われがちです。
日々、正解を探しながら相手と向き合っています。
しかしこの世には明確な正解があることの方が少ないです。
だからこそ、私は正解は探すものではなく作るものだと伝えています。
正解は人の数だけあり、自分の正解は人とは違う。
つまり自分の中の最良の方法が必ずしも相手にとって最良とは限らないのです。
だからこそ常に常識を疑い、価値観をアップデートし、「目の前の相手に本当に何が必要なのか」を素直に考えることが大切です。
この記事を読むことで、あなたが「自分の指導者としての価値観を振り返るキッカケ」になれば幸いです。